ぼくのかんがえた最強のMac用キーボード(ハードとソフトハックでMac用のRealforceを作る)
スタパ齋藤氏がMacのキーボードについて悩んでいるのを読んで、おれも1年ほど前にMacBook ProからMac miniに乗り換えた際に相当悩んだことを思い出したので、せっかくなので今の環境をまとめておく。特にキーボードは個人の好みによるところも大きいので、一例として聞いてもらいたい。
おれはスタパ齋藤氏と違って物書きではないけれど、やはりコンピュータとのインターフェイスであるキーボードにはそれなりにこだわっておきたい。そして、現在使っているキーボードは、東プレのREALFORCE87UBである。静電容量無接点方式のキーボードで、テンキーレス英語配列の黒色のモデルだ。
東プレ キーボード REALFORCE87UB テンキーレス英語配列 USB 有線接続 静電容量無接点方式 DIPスイッチ機能付 昇華印刷墨モデル 変荷重 ブラック SE17T0
- 出版社/メーカー: 東プレ
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: Personal Computers
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当初はスタパ齋藤氏と同じくApple Wireless keyboardを使っていたが、いかんせん薄すぎる。短時間ならともかく、長時間使っていたら腱鞘炎にでもなりそうだ。もしやAppleの社員はキーボードを使わないのではないかと疑いたくなる。Mac向けのアクセサリを販売しているバード電子からApple Wireless keyboardの下に敷いくことでかさ上げするアクセサリも売られているようだが、自分にあった別のキーボードを探すことにした。
キーボード選び
新しくMac用キーボードを買うにあたっての要件は以下の通り。
- キーストロークがあり、快適な押し心地であること→少々高くても構わないので気持ちよく入力できるジョリーグッドなデバイスがいい。
- Mac向けのレイアウトになっていること→Windows向けの製品だと特に特殊キーのレイアウトがMac向けと異なって、使えるがストレスの原因になる。
- 英語配列であること→日本語配列はスペースキー周辺がごちゃごちゃしていて好きじゃない。
- コンパクトであること。テンキーは不要。ただし、変態配列でないこと→机の上を広く使いたいので、フットプリントは小さい方がうれしい。ただし、使い勝手は犠牲にしたくないので、コンパクトなあまり変態的なレイアウトになっているのは困る。
- できれば黒色のモデルがいい→黒の方が汚れが目立たないし、中二病的には漆黒の闇の色の方がなんだかカッコイイ。(家具が黒系なので合わせたい)
以上の要件に基づいて探してみると、驚くほど対象が少ない。世の中にはあまたのキーボードが売られているはずだが、Mac向けとなると数がぐっと少なくなる。iMac付属のペラペラキーボードで満足するライトユーザと、MacBook Proを使うパワーユーザが多く、わざわざキーボードを買うようなユーザが少ないのだろうか。需要のないところに製品なしである。Oh...
数少ない選択肢の中でそれなりの打鍵感を持つキーボードは、HHKB Professional2か、Matiasのmini tactileproあたりだろうか。HHKBは東プレの静電容量無接点方式、Matiasはメカニカルスイッチである。HHKBはProfessionalラインの英語配列のモデルはカーソルキーを持たない。サーバでは長らくFreeBSDをつかっているので、hjklでのカーソル移動は身にしみているとはいえ、デスクトップではカーソルキーくらい使いたい。MatiasはALPSのスイッチにインスパイアされたスイッチを使用していて、別のモデルで試した限りでは打鍵感は悪くないが、キートップに余計な刻印があるのが気になる。それにメカニカルスイッチは打鍵音が耳につく。
そんな折、実家に置いていったREALFORCE106(LA0100)を久々に触ったら、やはり静電容量無接点方式しかねえなという気持ちになった。スコスコ入るキートップ最高!そこで現行モデルのRealforceを買うことに決めた。残念ながらMac向けのレイアウトにはなっていないが、そこはカスタマイズだ。因みに、購入してから10年近く経つ106は少しもやれていなかったので、会社で第二の人生を送らせることにした。
REALFORCE87UBを購入
残念ながらRealforceにはMac向けのモデルがないので、Windows向けのモデルの中から比較的要件にあうREALFORCE87UB(SE17T0)を選んだ。スコスコ入る静電容量無接点方式だ!英語配列だ!黒だ!かっこいい!ただ、どうしてか打鍵感は何年も前のREALFORCE106の方が良かった。REALFORCE87UBも十二分に気持ちいいのだが、106の方がいかにも静電容量無接点方式という感じで、キーを押し込んだ際のなめらかさが際立っている。すべてのキーがそんな感じだったので、不良ではないだろうし、ここは諦めることにした。残念だけど。
さて、このままUSBで接続すればMacでも一通り使えるが、自分好みになるようにカスタマイズしていく。
CtrlとCapsキーの入れ替え
利用頻度の高いCtrlキーは指の届きやすいAキーの隣にあってほしい。REALFORCE87UBは背面のDIPスイッチを切り替えることで、両者を入れ替えることができる。交換用のキートップも付属しているので、刻印と入力が不一致になることもない。また、どちらのスイッチ部分にもLED仕込まれているので、入れ替えた状態でもCapsLockのランプを視認できる。
なお、付属のキートップの引き抜き具は金属製でキートップを力を入れた際に傷つけやすいので気をつけて欲しい。実はちょっと傷つけた。プラスティック製の引き抜き具か、ダイヤテックのFKP01を使おう。
FILCO Keypuller キーボードメンテナンス用キーキャップ引き抜き工具 ブラック FKP01
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Commandキーを使いやすく
Windows向けのキーボードをMacに接続するとWindowsキーがCmdキーとして機能するが、その隣のAltキー(MacではOptionとして動作)の順番がMacと逆になっている。MacではCmdキー多用するので、標準的なレイアウトでは入力しやすいように中央のスペースキーに近い場所に配置されており(Option、Cmd、スペースの順、サイズも他のキーよりも幅が広い)。しかし、Windowsではスペースの隣はAltになっていて(Windows、Alt、スペースの順)、サイズもWindowsキーよりも広い。
要は、Cmdとして動作するWindowsキーとOptionとして動作するAltキーを入れ替えたい。
こちらは、CtrlとCapsと違いDIPスイッチは用意されていないので、ソフトウェアで対応することにする。
入れ替えには、Karabinerを利用する。KarabinerのPreferenceから以下の設定を有効にする。
- Command_L to Option_L
- Command_R to Option_R
- Option_L to Command_L
- Option_R to Command_R
- Don't remap Apple's keyboards(必要に応じて)
- Disable all settings while you are using virtual machine(必要に応じて)
とどめのキートップの入れ替え
上記の2つで思い通りに入力できるようになったが、どうしても気になることがある。それは、CmdとOptionキーを入れ替えたことで入力内容とキートップの刻印が一致しなくなることである。Cmd用のキーの刻印はAltで、Option用のキーの刻印はWindowsマーク(しかも妙に凝った彫りがある)になってしまう。CtrlとCapsと違い交換用のキートップも付属しないので、こればかりはどうしようもない。そんな中、HHKBが東プレ製だったことを思い出して確認してみると、交換用のキートップ(PD-KB400KTB)が売られていることがわかった。HHKBの英語配列のモデルは、レイアウトがMac寄りなので、幅広のCmdキー(刻印は◇と右上にCmd)とOptionキー(刻印はAltと右上にOpt)が含まれている。キートップはバラ売りはされておらず、フルセットで4000円ちょっと安くはない。このキートップをRealforceのWindowsキーとAltキーの入れ替えできれば、この不一致問題も解決できる。ただ、HHKBのキートップがRealforceに刺さる保証もない。
PFU キートップセット墨 (HHKB Professionaシリーズ英語配列モデル) PD-KB400KTB
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リスクもあるが、結局チャレンジしてみることにした。到着したキートップを比較してみると、RealforceとHHKBで形は同一(に見える)で、刻印の色は若干HHKBの方が濃い。また、フォントも若干異なる。ただ、RealforceもHHKBも黒のキートップに墨(グレーぽい黒)の刻印とコントラストを抑えて刻印内容が目立たないようにしているので、よほど目をこらして見てみないと両者の違いはわからないだろう(白モデルはどうかわからないが)。おれは刻印の不一致の方が気になるので、まったく問題にならない。因みに、Macで言うところのReturnキーやDeleteキーがEnterやBSの刻印になっているのが気になるようなら、こちらも交換すればいい。ただ、どちらも刻印された文字数が多いので、フォントの違いが目立つかもしれない。
完成形
綺麗な写真ではないが、下記の写真が入れ替えた後の写真。当然スペースバーの右側も同じように入れ替えてある。これを見れば、Realforceのレイアウトが標準的なMacのものになっていて、違和感なく使えることがわかるでしょ?
不具合(追記)
書き忘れていた。1点困ったことがあって、スリープ状態からRealforceのキーを押して復帰させると、それ以降USBを差し直すまでキー入力が一切できなくなってしまう(Mac mini Late 2014で発生)。トラックパッドやマウスのボタンから復帰させれば回避できるものの、いささか面倒くさい。検索してると既知の不具合のようだが、根本的な解決策はない模様。ついついキーボードのボタンを押してスリープ解除してしまう人は、スイッチ付きのUSBアダプタか延長ケーブルを用意した方がよさげ。
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