一人暮らしの正しいドラム式洗濯機の買い方・使い方

背景

8月末に意を決してドラム式洗濯機を購入した。購入した機種はパナソニックの中級機であるNA-VX7300L(ヒンジが反対のNA-VX7300Rも機能は同じ)。ワンルームの一人住まいの自分にはいささか大げさで、値も張る買い物だとは思ったが、思った以上に便利だったので、購入から使い方まで記事にまとめておく。

ドラム式洗濯機のメリット

家事を限られた時間ですべてこなす必要のある一人暮らしこそドラム式洗濯機を勧めたい。理由は以下のとおり。

時間に縛られない

今までは縦型洗濯機と除湿機を使って毎日部屋干しで洗濯をしていた。このやり方に大きな不満はなかったものの、夜に洗濯していたので、仕事で遅くなった日は、洗濯物を干すまで寝られないこととがやや面倒だった。疲れてるんだから早く寝たいじゃん。ドラム式洗濯機なら、洗濯物を放り込んで運転ボタンを押すだけでいい。翌朝には乾燥まで終わっているので、あとはたたむだけ。冬なら寒い思いもする必要がない。

場所に縛られない

部屋干しするにしても、ワンルームマンションではスペースも限られている。特に寝具一式を洗おうとすると、干すスペースが足りなくなって大変だった。ドラム式洗濯機ならこれまた放り込んで終わり。特に最近のマンションだと外干しが禁止されていたり、ベランダに竿を置くスペースがなかったりすることも多いのでこれは助かる。

デメリット

メリットもあれば、デメリットもある。メリット、デメリットを勘案して、購入を検討してほしい。

高価

縦型洗濯機で収益を上げづらくなってきたメーカが、マーケティング主導で高価なドラム式洗濯機をゴリ押ししているのではという気もする(最近は比較的高価な縦型洗濯機もあるが)。とはいえ、高いのは間違いないが、余りあるメリットもある。

洗浄力

よく言われるように縦型洗濯機の方が洗浄力は高い。これは縦型から買い換えた直後にも感じた。とはいえ、ドラム式の洗浄力で不満もないけれど。ただ、スポーツなどをしていて、泥汚れのついた洗濯物を洗う必要があるなら、縦型の方がいいだろう。また、ドラム式はデリートなので、砂がついたような洗濯物を洗い続けると、早晩故障につながるのではないかと思う。
因みに、柔軟剤の効きも縦型ほどではない。(全く効かないわけではない)

引っ越しが大変かもしれない

ドラム式洗濯機はかさばるので、引っ越しの際のコスト高の原因になるかもしれない。また、ドラム式洗濯機は扉の右開き・左開きを購入時に決める必要があるので、次の部屋も自ずと現在と同じレイアウトのところを探す必要がある。持たざる者としてその時々の好条件を享受できるはずの賃貸派が、持ち物で部屋選びが左右されるのはあまり賢くないとも言える。

故障しやすい

ドラム式洗濯機は構造が複雑だからかとにかくよく壊れる。Webで検索してみても故障したという書き込みがごまんと見つかる。因みに、実家では縦型洗濯機とガス式の乾燥機を併用するスタイルを20〜30年続けていたが、壊れたことは1度あったかくらいだったと思う。どうしてこんなに壊れやすいのか。下に追記したが、おれのドラム式も購入から2年後にヒートポンプが壊れた。

機種選び

各メーカ特徴があるので、気に入った機種を選べいい。ただ、ドラム式洗濯機はとにかくかさばるので、自分の家に搬入、設置できる機種を選ぶこと。設置スペースについては、パンフレットやWebサイトに載せているのでそれを参考にする。搬入の段になって入らないような場合、往復の送料を請求されることが殆どだろうから、その辺はちゃんと確認しておいたほうがいい。また、電器店によっては購入前に検討している機種が据え付けられるか無料で下見をしてくれるサービスをしているので、それを使うのもの悪くない。おれはビックカメラに下見をお願いした。

因みに、単身者向けに例えばパナソニックがコンパクトなプチドラムといったラインナップも用意しているが、メインストリームの商品と比較すると、機能が劣っている(温水洗浄がないとか)ほか、大きいドラムで乾燥させたほうがシワも少ない。設置場所の都合があるなら仕方がないが、できればメインストリームの商品を選ぶことを勧める。

おれはビックカメラの店員と相談しながら、比較的安価でシワがつきにくいという日立のBD-S8600Lと、比較的高額で温水洗いのできるパナソニックのNA-VX7300Lの2機種に絞って、設置できるかを下見してもらった。どちらも問題なく設置でできるようだったが、温水洗いに惹かれてパナソニックを選んだ。

購入

主におれが購入したビックカメラでの備忘録をまとめる。大体Webサイトの方が値段が安いので、予め調べておいて同額にするように交渉をしたほうがいい。また、Webから購入すると有償の延長保証も店頭だと無償でつけてくれるはず。普段、延長保証の類はほとんど付けない人も(おれだ)、ドラム式洗濯機は故障する場合が多いので、絶対につけておいた方が後悔しないと思う。

また、古い洗濯機を処分するにもリサイクル費用がかかる。幸いそれまで使っていた縦型洗濯機は購入して比較的新しいもので、下見を依頼した際に1000円で下取り(リユース)ができるとのことだった。処分してもらうとリサイクル費用で5000円程度かかるので、下取りなら計6000円くらいは得になる。ところが、購入手続きを担当した店員は下取りの話は一言もせず、こちらから下取りの話をして、ようやく手続きをしてくれる始末。新しめの洗濯機を使っている人は下取りできるか確認してみよう。
引き取りと設置が別でも構わなければ、近所のリサイクルショップに買い取ってもらっても構わない。製造から5年以内の製品なら引き取ってもらえる可能性がある。

使い方

洗剤の種類と量

ドラム式洗濯機は水の使用量が少なく、洗浄力も縦型ほど強くない。縦型なら、ある程度適当に使ってももみ洗いと大量の水で問題なく洗い上がるが、ドラム式は使用する洗剤の量をより厳密に管理する必要がある。洗剤が少なければ汚れが落ちないし、多ければ濯ぎきれない。洗剤を適量投入しないとゆくゆくは黒ずみの原因にもなる。また、粉末洗剤の方が液体洗剤よりも洗浄力が強いので、あえて粉末洗剤を選ぶのもアリかもしれない。おれは洗濯物によって粉末と液体洗剤を使い分けてる。粉末洗剤は蛍光剤が入ってないやつね。

すすぎの回数

最近の液体洗剤はすすぎ1回のものも多いが、あえて2回のままにしている。上に書いたとおり、ドラム式は水の使用量も少ないので、少々水を多く使ってもちゃんとすすいでおきたい。また、NA-VX7300Lの場合、洗濯と同時に実施する洗濯槽を掃除してくれる自動槽洗浄機能を使おうとすると、すすぎは2回のままにする必要がある。すすぎが足りないと、残った洗剤が黒ずみの原因になりかねない。すすぎは洗い以上に重要な工程なので、個人的にはここでケチらないことにした。

メンテナンス

乾燥までさせるとフィルターに綿埃がギッシつく。実家では長いことガス乾燥機を使っていたので、綿埃は当たり前の感覚があるが、初めて使う人は驚くかもしれないし、掃除を面倒に感じるかもしれない。ドラム式の場合、風の流路が複雑なので、長く使うつもりなら、必ず毎回フィルター掃除をする。ただ、フィルター掃除をしたところで、取りきれない埃が蓄積されるんだろうなとは思う。ドラム式が壊れやすいと言われるのは、ここらへんに由来しそう。

(10月22日追記)取扱説明書には週1度程度、槽乾燥を行うように指示があるが、パナソニックに確認したところ、毎日乾燥運転をしているのなら特に不要とのことだった。乾燥機能を使っていない、たまにしか使わないなら槽乾燥をしてほしいとのこと。

因みに、月1回の塩素系漂白剤を使った槽洗浄は行うべき。洗濯機にたまった洗剤カスやヌメリは酸素系漂白剤でないと取れないが、前にパナソニックの縦型洗濯機を使用していときは、毎月メンテナンスしておけば、特に洗剤カスは発生しなかった。(酸素系漂白剤でメンテナンスしてもカスが出てこない)

使い終えたら

乾燥させたあとでも、槽内の湿度はどんどん上昇していく。運転後しばらくは、ふんわりキープと称する断続的運転が続くが、洗濯物は早めに取り出したほうがいい。また、槽内に洗濯物を放置しておくとシワもつく。槽内の環境を考えると、縦型と同じく、運転後は扉を開け放して湿気を逃したほうが良さそう。縦型と違い蓋が邪魔になるが。

パナソニックのフィルター

NA-VX7300Lのフィルターは二重構造になっていて、片方は洗濯機から取り外すことができず、掃除をするのが面倒だったが、サービスマンを呼ぶと、取り外し式に改造してくれるらしい。どこかのタイミングで変更してもらいたい。ソースはここ(前の機種だけど、同じ構造)

ポイント

長くなった。まとめる。

  • 一人暮らしこそドラム式洗濯機を買うべき。捗るぞ。
  • 電器店によっては購入前に設置できるか無料で下見をしてくれる。
  • ビックカメラはWebサイトの価格の方が安いので、予め価格を調べておいて、店頭で同額にしてもらえるように交渉しよう。店頭だと延長保証もつけてくれる。
  • ドラム式洗濯機を使う際は、洗剤の量を守る。
  • ホコリ掃除は毎回やること。
  • 乾燥後はすぐに洗濯物を取り出す。扉も開け放して湿気を逃したほうがいい。

Q&A

服がシワになる

乾燥が終わったら、他の洗濯物を取り出してシワになった洗濯物(1枚、2枚程度)だけで乾燥運転しろ。10分程度で幾ばくかマシになる。最新モデルはよりシワになりにくいなんてうたっているが、他の衣類と洗濯する以上まったくシワにならないことはない。毎日使うワイシャツはノンアイロンのものを選ぶとか自衛するしかない。

服が縮む

無印良品のコットンのシャツとかすごい縮んだね。モノによっては縮むな。諦めるか、乾燥は使わないとかしないといけない。

故障した

購入から2年弱経った頃についに故障。乾燥運転が終わっても槽内に水が残っているし、洗濯物も湿っていて困った。結局、パナソニックを呼んでヒートポンプを交換してもらってた。延長保証に入っていて良かったと思ったら、ヒートポンプは3年保証らしい。まあ、何があるかわからないので延長保証には入るべき。